git for windows 2.11をインストールする手順(with 各オプション概説)
最近、いろいろなプロジェクトでgitを使う機会が増えてきました。また、Javaに限らず、開発用のライブラリもGitHubから取得することも多く、gitを使いこなせるとすごく便利です。大きな開発会社ではgitサーバを用意していたり、安価で利用できるサービスもありますが、せっかくフリーのソフトなので、自分のPCにインストールして運用してみてもいいですよね。
開発プロジェクトなどで、自分たちで運用したいという方に役立つかもしれないと思い、私のセットアップした手順をメモしておきます。
git2.11.0をwindows10にセットアップした手順になります。
インストーラのダウンロード
まず、インストーラをダウンロードしてきます。
サイトは以下のところです。
https://git-for-windows.github.io/
もうひとつ、https://git-scm.com/downloadsというところもあり、gitのLinux版やMac版はこのサイトからダウンロードしてくるので、少し迷いましたが、このサイトからダウンロードできるWindowsのインストーラは、最初のサイトのものと同じものです。
Git for Windows はLinux版、Mac版とは別物なので、別サイトも立ち上げたようですね。
疑問が解けたところで、両サイトのどちらかから、インストーラをダウンロードしてきます。 私が落としてきたときはバージョン2.11.0で、PCが64bitだったので「Git-2.11.0-64-bit.exe」でした。
インストールと各ステップのオプションについて
ダウンロードしてきたexeをダブルクリックして、インストールを開始します。
最初にライセンスへの同意を行います。
次に行うのが、インストールディレクトリの設定です。初期値は「C:\Program Files\Git」になっています。このままでもOKですが、私は、スペースの入ったディレクトリはほかのツールとの連携や設定ファイルに設定しにくいので、「C:\Git」に変更しました。
次にインストール対象のコンポーネントを選択します。追加機能のようなものですね。
Additional iconsは起動用のアイコンをインストールするかです。私はチェックを外しました。

Windows Explore integrationの2つは、エクスプローラで右クリックを押したときに出るコンテキストメニューで、以下のようなショートカットを表示するかです。多くの人は別途、gitのクライアントを入れるでしょうから、チェックを入れなくてもいいかもしれません。右クリックしたディレクトリから、gitシェルを起動できたりするので、便利そうだなとおもったら、チェックを入れていてもいいと思います。
その下は、.gitや.shの拡張子をgitアプリに関連付けるかですね。私はOFFとしました。ダブルクリックでいちいちgitが起動するのはイヤなので。。
一番下のフォントも必要ないでしょう。
さて、これはおなじみのスタートメニューへの表示なので、デフォルトでオッケーです。
ここからが、git特有の選択肢が多くなりますね。
Use Git from Git Bash only
これを選択すると、PATHは書き換えられません。git.exeにPATHが通っていないため、gitコマンドをWindowsのコマンドプロンプトから利用することは出来ず、Git bashからだけgitを使えるオプションになります。
>Use Git from the Windows Command Prompt
これを選択すると、PATHにgit.exe等のあるディレクトリを追加します。そのため、gitコマンドをWindowsのコマンドプロンプトから利用することができるようになります。Git bashも使えますし、通常はこのオプションを選択するのが良いと思います。
Use Git from the Windows Command Prompt
赤字で注意書きがあるので、選択したくない感じですよね。。上記のgit.exe等の基本的なコマンドが存在するディレクトリ以外に、追加のexeのあるディレクトリもPATHに追加されます。注意書きのように、findやsortなど、Windowsがもともと持っているコマンドをPATHで上書きしてしまうので、findコマンドの結果がWindows標準と異なってきてしまいます。gitしか使わない方はそれでいいかもしれませんが、通常は、選択しない方が無難だと思います。
gitで使用するSSHクライアントを選択できます。
>Use OpenSSH
これを選択すると、gitについてくるssh.exeを利用します。GIT_SSHやSVN_SSHという環境変数でどのクライアントを使うか指定しますが、デフォルトなので、特に変更されません。通常はこちらでいいかと思います。
Use (Tortoise)Plink
PCにPuTTYがインストールされていたりするとこのオプションを選択すればSSHクライアントにそれを使用することができます。GIT_SSHやSVN_SSHを変更すれば、そちらを使用できます。詳しい使い方や設定方法はまた、別の記事で解説したいと思います。
これは、チェックアウトとコミット時に改行コードをどのように変換するかの設定です。プロジェクトのすべての開発者が同じPCや環境を使用していれば問題ありませんが、実際には、Windowsの人もいれば、Mac,Linuxの人もいるかもしれません。そもそも、世界中に開発者が分散した環境で、どのようにソースを管理するかのために作られたのがgitなので、そういうことも考慮されているのですね。ただ、どの設定が適切かはプロジェクトの環境にもより、一概には決められません。ネットでも諸説あります。各設定を見てみましょう。
>Checkout Windows-stype, commit Unix-style line endings
これを選択すると、チェックアウト時に「LF」を「CR+LF」に変換し、コミットするときに「CR+LF」を「LF」に変換します。
>Checkout as-is, commit Unix-style line endings
これは、チェックアウト時には改行コードの変換は行わず、コミット時にだけ、「CR+LF」があれば「LF」に変換します。プロジェクトの主要メンバがLinuxやMacの人が多いい場合に使えるオプションです。。
Checkout as-is, commit as-is
これは、チェックアウト時にもコミット時にも改行コードの変換は行いません。複数OSの開発者が混在しているプロジェクトでは、改行コードがばらばらになりがちなので、あまりお勧めできないと思います。みんな同じOSなら関係ないんですけどね。。
これは、CUIコンソールを何を使用するかです。Windows10になって、標準のコマンドプロンプトも使いやすくなりましたので、どちらでも良いと思います。お好きなほうで。
>Use MinTTY (the default terminal of MSYS2)
MSYS2のデフォルトターミナルであるMinTTYをコンソールに使います。MSYS2は良く知られたWindowsで動くUnix互換環境です。特にこだわり無ければどちらでもいいんですが、私はこちらの方が好きなので、こちらを選択しました。
Use Windows’ default console window
Windowsのデフォルトのコマンドコンソールを使用します。最近のWindowsのコンソールも進化してきているので、つかいにくさを感じていなければ、こちらでもOKだと思います。
さらに追加のオプションの設定を行います。
>Enable file system caching
ファイルシステムのキャッシュを有効にするかどうかの設定です。GitはもともとLinuxのファイルシステムを考慮してチューニングされていますので、WIndows環境だと、特定のコマンドのパフォーマンスが遅くなることがあります。このチェックを入れておくと、それらのレスポンスが早くなることが多いです。
>Enable Git Credential Manager
Git Credential Managerを有効にすると、GitHub等にアクセスする際に使用する認証情報をOSの認証情報保管場所に保存することができます。同じ認証情報を何度も入力したりするのがめんどくさいので、その手間を軽減するための拡張機能です。チェックを入れておいて損は無いですね。
Enable symbolic links
シンボリックリンクの有効化オプションです。
Enable experimental, builtin difftool
バージョンの異なるソースの差異を確認するのに、gitに付属しているdiffツールを使うかどうかのオプションです。但しがきで書いてありますが、まだベータ版なので、チェックしませんでした。別のdiffツールを使う方法は、別のメモでご紹介したいと思います。
以上でインストール完了です!次の記事では、使い始めるのに必要な設定をいくつか行うことにします。